お国自慢・これぞ埼玉の味

揚、焼、蒸…。日本料理の技でサツマイモを幅広く味わう

いも膳

日本唯一のサツマイモ料理の専門店、それが「いも膳」。
サツマイモというと「庶民の味」というイメージですが、訪れてみて、歴史を感じさせる落ち着いた店構えにまずびっくり。そして、出された正統派の懐石料理の見事さに、またまたびっくりさせられます。
例えば懐石の一品、そば。一見、普通のそばのようですが、実はそば粉やつなぎを一切使っていない、サツマイモと小麦粉だけで作られた、いもめんだったりします。言われてよく見ると、たしかに普通のソバより紫っぽい気も。食すと、サツマイモのまろやかな甘さが感じられる見事なお味なのです。

どんなにサツマイモが好きでも、サツマイモ尽くしではちょっと飽きそう??そんな心配は全く無用。サツマイモの味を見事に活かしながらも、それを意識させず、揚、焼、蒸、椀物…と、多彩な味わいへと昇華させた懐石料理となっています。
いも懐石は、4200円から。懐石は、予約が必要です。

埼玉県川越市小室15-1
営業時間:11:30~21:00
TEL:049-243-8551
http://www.kawagoe.com/imozen/

サツマイモの原産地ってどこかご存じですか?答えは、南米。コロンブスがアメリカ大陸を発見したとき、ヨーロッパに持ち帰って、あっという間に普及したのです。日本にもたらされたのは、南蛮船の渡来のときで、16世紀。つまり、ヨーロッパと数十年のタイムラグがあるだけです。これが戦国時代が終わり、太平の世となってから、江戸時代初期に本格的に栽培が開始されました。そのメッカとも言える地が川越で、「栗(九里)より(四里)うまい十三里」という、あの有名なキャッチフレーズも生み出されました。
ちなみに、サツマイモとともに南米からもたらされたのは、ジャガイモ、タバコ、トマト、トウガラシなど。これらはすべてナス科の食物です。
嗜好品であるタバコや、香辛料であるトウガラシを別として、一番人々に支持された植物がサツマイモ。ジャガイモは、18世紀のフランスの百科事典でもひどくこけおろされ、よほどの貧乏人か家畜しか食べないものとされていましたし、トマトも鑑賞用で、食材として普及を始めたのは19世紀以降のことです。

絹街道小鹿野町で食す地元産黒米を使った縄文カレー

夢鹿蔵

生糸と繭の保管地として明治・大正・昭和前半に賑わった小鹿野町は、訪れるとほっとする、落ち着いた古い街並が魅力。その歴史的建造物のひとつである旧埼玉銀行の蔵を使った観光案内所が夢鹿蔵です。
その名物料理が、縄文カレー。これは、近隣で収穫される黒米を用いた創作料理で、小鹿野の商店街振興のため、町の有志が集い、考案したものです。コクの実など漢方スパイスを加えたヘルシーなルーは、黒米とマッチ。また、ナンの代わりにそば粉に黒白のごま等を練り込んで焼いた「かぶたら」もユニーク。
黒米は、玄米や雑穀と並び、健康志向から見直されていますが、白米と比べると固く、クセがあって、抵抗のある人が多いのも事実です。そんな黒米も、「こう食べれば美味しい」という、納得の味。健康志向の人など、ぜひ一度、味わってみてください。

埼玉県小鹿野町小鹿野377-1
営業時間:10:00~17:00
TEL:0494-75-4310
http://www.chichibu.ne.jp/~banbi/yumekagura.html

モンドセレクションで金賞受賞!埼玉が誇る地ビール

COEDOビール

日本全国いたるところで売られている地ビールですが、その元祖ともいえる地ビールが埼玉にはあります。それは、小江戸・川越の「COEDO(小江戸)ビール」。「伽羅」「瑠璃」「白」「漆黒」「紅赤」の5種類がありますが、「食品のノーベル賞」ともいわれる世界手金に権威のある食品品評会「モンドセレクション」で5銘柄全てが入賞、なかでも「瑠璃」と「紅赤」は、最高金賞に輝いたという、埼玉が日本、いや世界に誇れる地ビールなのです。ちなみに「瑠璃」はホップの苦みが爽やかな正統派ピルスナー、「紅赤」はサツマイモを原料にした、芋焼酎とビールの融合とでもいうべき新スタイルのビール。
川越はもちろん、埼玉県下の多くの店が扱っており、また、インターネット通販でも購入することができます。5種それぞれに個性が感じられるCOEDOビールは、一度は味わっておきたい逸品です。

株式会社協同商事コエドブルワリ
TEL:049-259-7735
http://www.coedobrewery.com

COEDOビールは、「時の鐘」への入り口の酒屋さんでも売っています。川越観光のついでに買っていかれては?

「これは飲まねばなるまい!」と、編集部も買って実際に飲みくらべてみました。
たしかに、なかなかの味わい。編集部は、旅行に出かけると、各地の地ビールを楽しむようにしているのですが、クセがあるくせに、各地でそれほど味わいに違いがない(その土地のオリジナルというより、地ビールというひとつの酒)という印象をもっていました。
その点、COEDOビールは、他では味わえない独特な味が特長。つまみなしで飲んでうまいビール、つまみの味を引き立てるビール…と、それぞれ最適な飲み方が違うようです。個人的には、和洋中、どんな料理にも合う「瑠璃」が一番好きです。

昭和の風情を残した路地に建ち並ぶ駄菓子屋

菓子屋横町

川越観光に出かけたら、ぜひ立ち寄ってみたいのが「菓子屋横町」。
昔懐かしい昭和の面影を残した路地に、駄菓子屋さんが多数建ち並んでいます。駄菓子のほか、川越名物のサツマイモのお菓子、おせんべいなども売られています。
こうしたところで、お土産を買うのも一興。お土産というより、レトロな空間をふらりと歩く風情がいい思い出となるんですよね。
横町という名前にふさわしい、石畳の細い路地。休日などは、多くの観光客でごった返します。

自家農場で飼育したイノシシを自家製の味噌で煮込んだしし鍋で

秩父いのしし亭

秋が深まってくると、やはり恋しくなってくるのが鍋料理。自家農場で飼育したイノシシを自家製の味噌で煮込んだしし鍋を中心にした懐石料理を味わえるのがこの「秩父いのしし亭」。旬の地の食材を使った小料理も秀逸。季節感あふれる懐石料理は秩父ワインとも合います。座席80と広めの店舗ですが、貸切となっていることもあるので、事前に予約を入れておいた方が確実です。

秩父市荒川贄川563
営業時間:12:00~21:00(木曜定休)
TEL:0494-54-0168

全国的にも珍しいキジ尽くし料理が楽しめる

きじ亭

キジの肉を食べたことがある人はおそらくそう多くはないでしょうが、この「きじ亭」は、自家飼育した高麗キジを使ったキジ尽くしコースが食べられるお店。醤油ベースのスープ仕立てのキジ鍋の他、お刺身や塩焼き、天ぷらなどを味わうことができるお店は、日本全国探してもほとんど見つからないのでは。
季節によっては、イノシシの鍋やステーキ、ご主人の釣ってきた川魚を食すことができます。

横瀬町横瀬66391
営業時間:11:00~19:00(19:00以降の場合は要予約。水曜定休)
TEL:0494-23-7256

1 2 3