所沢航空公園で「大空」への夢を!

駅を降りると戦後初の国産旅客機「YS-11」がお出迎え

日本全国、数あまたの博物館、観光スポットがある中、乗り物好き、飛行機好きならぜひ一度は訪れてみたいのが、所沢航空記念公園。なぜなら、ここは、明治44(1911)年4月1日、日本初の飛行場が生まれ、その4日後の4月5日に、日本で最初の飛行場での飛行記録が生まれた、記念すべき地だからです。この歴史的な経緯から、「日本の航空発祥の地」とされる所沢は、日本最初の国産軍用機「会式一号機」をはじめとする初期の飛行機や飛行船の製作、当時
のパイロットの訓練がすべて行われるなど、戦前の日本の航空技術を支えてきました。
その広大な敷地は、戦後、米軍に接収され軍用施設として使用されていましたが、一部施設を除いて、昭和46(1971)年に返還。航空公園が誕生しました。平成5年には、所沢航空発祥記念館が開館し、日本の航空の歴史を彩ってきた飛行機(実機)の展示コーナー、飛行機の原理を映像や実験で学べる「研究室」などがあり、大空への夢に胸が膨らむこと、間違いなしのスポットとなっています。
ちなみに、戦後初の国産旅客機「YS-11」。その名前を知る人は少なくありませんが、実物を間近に見た経験のある人はけっして多くないはず。公園のそばに設けられた西武新宿線「航空公園」駅を出ると、このYS-11がお出迎えしてくれます。おのずと期待感が盛り上がってきますよ。

空を駆け巡る技術とその歴史が楽しみながら学べる

編集部が公園を訪れた日は快晴に恵まれましたが、平日だというのに、多くの人が模型のグライダーなどを空に放ち、楽しんでいました。そう、航空公園は広大な敷地内に、一面芝生の広場があり、春の日差しを浴びて、駆け回るには絶好の場所なのです。広がる大空に、この空を自由に駆け巡れたら、と思う気持ちもわかります。読者プレゼントにもさせていただいていますが、1階のショッピングコーナーで模型飛行機を買って、空に放つと、気分爽快です。
所沢航空発祥記念館は、航空機の飛行原理や航空技術、歴史などを、迫力ある多数の実機や映像、実験コーナーを通じて、楽しみながら理解できる複合型の航空記念館。
入館すると、ロビーには、日本最初の国産軍用機「会式一号機」(レプリカ)が展示してあり、思わず「おーっ」。
子供の頃、ライト兄弟の伝記に載っていたセピア色の写真、挿絵がそのままの姿で見られるのは実に貴重な体験。使われているタイヤは、自転車タイヤそのまま。現代人の目で見ると、「こんなモノでよく空を飛ぼうとしたものだなぁ…」と驚きます。その他、展示場には、第一線で活躍していたセスナや軍用機、ヘリコプターなどの実機が多数展示してあり、実機に乗り込んで操縦桿を握ったりもできる、価値ある展示コーナーとなっています。
最近は、ゲームセンターや家庭用ゲーム、パソコンなどで楽しめる操縦シミュレーションですが、記念館のシミュレーターは、ジェット機の操縦席を忠実に再現。そのリアリティに圧倒されること間違いなしです。
昔の素朴な飛行機から日本の空で活躍した旅客機まで、歴史と身近さ、そして航空技術のすごさを同時に味わうことで、「自分も空を羽ばたきたい」「航空の仕事に携わりたい」という気持ちが湧き、夢が広がっていく感じです。航空ファンはもちろん、お子様も「航空」に触れ、大喜びすることでしょう。


所沢航空発祥記念館
開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(祝日と重なる日はその翌日)、年末年始
入館料 大人500円、小人250円

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