快適生活の豆知識

ベランダの有効活用

ふだん何気なく使っているベランダを、もっと有効に活用したいのですが?

ベランダは外に向かっているため、意外と人の目に触れる、いわば家の顔でもあります。そこで、メンテナンスをふまえたベランダ有効活用のポイントについて、お話ししましょう。

近藤建設(株)
建設工事グループ
関谷 光一

ベランダを利用するときの注意点を教えてください。

まず気をつけておきたいのが、排水口を詰まらせないようにすること。屋外で日光や風雨にさらされているわけですから、土やホコリ、糸くず、鳥の羽や髪の毛など、さまざまなものがベランダの端にたまっていきます。放っておくと、排水口に泥が詰まって固まり、ひどくなると水がたまってしまうこともあります。マンションなど共同の排水口の場合、ご近所にも迷惑がかかりますので、こまめな掃除が必要ですね。
それから、干した布団や洗濯物の落下など、落下物の防止にも注意。弱い風でも吹き飛んだり、お子様が投げたものが階下に落ちて、思わぬ事故に繋がることもあります。

またガーデニングブームで、マンションでもベランダで楽しむ人が増えていますが、集合住宅の場合、ベランダは専用使用できるものの、共用部分で使用に制限があります。管理規約や使用細則などを確認したうえで楽しむのが、マナーでもあり、トラブルを未然に防ぐ方法でもあります。

具体的に、どのようにすれば良いですか?

〈お掃除について〉

ほうきで掃くほか、排水口まわりにたまった泥は、ぬれた雑巾でふきとるなどしてください。普段から、こまめに掃除をしていただくのが理想ですが、例えば年に4回、季節の変わりめに掃除をするなど、習慣にするといいですね。掃除は、土埃などが配管内で固まるのを防ぐため、雨が降る前に済ませてしまうのが理想的です。
ただし、すでに泥が固まっている場合は、雨が降った翌日がお掃除のチャンス! 雨が降ることでベランダに付いた泥が柔らかくなり、少し擦るだけで汚れがとれます。カチカチに固まった汚れも簡単にとれるので、ぜひ試してみてください。

〈落下防止策について〉

子どもは、物を投げたりすることが悪いことだとわからず、注意してもなかなか聞いてくれません。そんなとき便利なのが、“目隠し効果”にもなるラティスフェンスや、市販の物投げ防止ネットです。特にベランダを小さなお庭として楽しみたい方には、格子状の木製フェンスなどがオススメ。自分の家からはもちろん、ご近所の方からみても気持ちのいい空間づくりができます。
しかし風よけにもなるフェンスは、取り付けが簡単な反面、たえず風がふくベランダでは特に固定させる必要があります。お子さんがよじ登ったりすることも考慮して、十分に注意して設置してください。設置に不安がある方は、弊社の担当者にお気軽にお声をかけてください。

ガーデニングを楽しむ場合の注意点はありますか?

ベランダでプランターや鉢植えを楽しむベランダガーデニングでは、土の流出を防いだり、十分な排水計画をすることが大切です。特に排水口の周辺は、こぼれた土や落ち葉が詰まらないよう、十分に配慮したいですね。
例えばスノコや床材などを床に敷く場合、お掃除することを考えて配置をすることが大切です。

集合住宅などではベランダはあくまで共用部分ですから、簡単に取りはずせるものを選ぶようにしましょう。白や黒の排水性の良い玉石を敷くのも良いですが、小さすぎると排水口から流れ出ることもあるので注意してください。
またマンションの場合、プランターや鉢などを置く場所がポイントになります。例えば、お隣との仕切り板の周り1mや、避難はしごの上下は、火災時などの避難経路として利用するので、物をむやみに置かず、正しく利用することが大切です。いざというとき、自分の家族だけでなくご近所の方がスムーズに避難できる心配りをしたいですね。
さらに、ラティスフェンスやフェンス近くのプランターなどは足がかりとなるため、小さいお子さまが登ってフェンスから落ちる危険性があります。落下防止のための柵を取り付けるなどの工夫が必要です。

このほか台風の季節には、早めの対策が必要です。風雨でベランダのものが飛ぶなどの心配があるだけでなく、大切に育ててきた植物が台無しです。小さな鉢やコンテナを早めに室内に取り込み、大きなものはフェンスなどにひもで固定。背の高いものはビニールでくるんで葉を保護してから倒し、転がらないようフェンスなどにひもでしばるなど、十分な対策が必要です。
ベランダに緑があるだけで、暮らしがぐっと明るくなります。きちんとルールやマナーを守り、楽しいベランダ活用を実現してみてください。

ベランダ活用のための注意とポイント

ベランダを有効活用するうえで、こまめなお掃除やご近所の方への心配りは欠かせません。またベランダを彩る便利な床材も豊富。ポイントを押さえたうえで、あなたらしいベランダ活用をしてみましょう。

[1] ベランダを床材で美しく覆う

床材には、ウッドパネルのほか、樹脂製、テラコッタを用いたものや芝生風のものなど種類も豊富。色や風合いで彩りも楽しめます

[2] 床材のポイントはスムーズな着脱感

パネルのツメを連結させるだけと、簡単に取り外しができる床材を選びましょう。女性でも楽に作業ができ、お掃除もしやすくなります

[3] 掃除をこまめに、汚れは溜めない

使っているうちに、パネルの下は土埃や落ち葉、鳥の羽や髪の毛などで汚れていきます。溜まらないうちに掃除をするよう、心がけましょう

[4] ゴミが溜まる排水口は要注意

排水口は水と一緒にゴミが流れ、汚れを取りたくても取れません。日頃からゴミを溜めないよう、カバーを外して掃除をしておくと安心です

[5] マンションの場合:避難経路に物は置かない

非常時の避難通路になる壁板は、周辺1m程度に物を置かないのが理想的。また目隠し効果のあるシートを使うと、物落ち防止にも効果大です

[6] マンションの場合:避難はしごの周りに物は置かない

避難はしごは、ベランダの足元についている階の人も、階下の人も要注意。非常時にハシゴがのばせるよう、周辺に物を置くのは避けましょう