秩父フルーツファームの新井範さん。ブドウについて、いろいろなことを親切に教えていただきました。
旬の取れたて食材の味覚は、やはり格別。
日々の暮らしに季節感が乏しくなり、食材をスーパーで買うのが当たり前になって、ふだん口にしている食材が、どの季節に、どのような形で実っているかを知らない子どもが増えているといわれます。海や川へ行けば、切り身の魚が泳いでいる、なんて思っている子どもがいるという、ちょっと笑えない笑い話もあるほど。
味覚狩りは、そんな子どもたちの情操や常識を培うのにも、大いに役立つはず。自然と親しむライフスタイルに関心が集まっているこの時代だからこそ、ぜひ味覚狩りに出かけてみたいものです。
暑さも和らぎ、過ごしやすくなった秋晴れの日に、清々しい空気を楽しみ、取れたて食材の格別の味覚を楽しみ、お子さんの教育にも役立つ。味覚狩りは、そんな“一石三鳥”の行楽なのです。
秩父フルーツファームは、こちらの看板が目印。大通りに面しています。ここからブドウ園までは、徒歩約3分。
まずご紹介するのは、秩父・影森観光農園村にある秩父フルーツファーム。
ブドウ一品種は、収穫期が2、3週間程度ですが、品種によってズレがあり、こちらでは複数の品種を栽培されているので、8月初旬から10月下旬までのまる3ヶ月間、ブドウ狩りを楽しむことができます。今年も8月10日から開園となりました。
また、1月から5月の間は、イチゴ狩りも楽しめるので、この秋、味覚狩りへ出かける都合がつかない方、イチゴが大好きだという方は、その時季に訪れるのもよいかもしれません。
写真は、アウローラ21という8月中旬から9月下旬頃にかけて獲れるブドウ。秩父フルーツファームの新井範さんによれば、「糖度が24と非常に甘く、全国で2000房くらいしか収穫できない貴重な品種」で、銀座などの高級果実店で1万円をはるかに超える価格で売られているとのこと。写真でもわかるように、一粒、ピンポン玉くらいあるその大きさは圧巻です。まさに、「幻のブドウ」といってよいと思います。
残念ながら、「半分以上が、毎年買われるお客様などで、出荷先は、もうほとんども決まっている」そうで、気軽に穫って楽しむブドウ狩りの対象にはなっていませんが、運が良ければ、直売されているアウローラ21を買うことができるかもしれません。
ブドウ狩りできる品種としてオススメなのは、秩父オリジナルブランドである「秩父山ルビー」。こちらはブドウ狩りを楽しむことができます。
松沢レジャー農園の外観。夏の間は、カブトムシやクワガタなどの昆虫採集もできます。
園内は、「レジャー農園」というだけあって、うどん・そばの食事処、自動販売機、土産物売り場など充実しています。
この他にも、埼玉にはさまざまな秋の味覚狩りスポットがあります。もちろん、ひと口にブドウといってもさまざまな品種がありますし、ナシ、栗、キウイ、みかん、シイタケ狩りを楽しめるのです。
秩父フルーツファームに続いて訪れた小松沢レジャー農園では、ブドウ狩りの他、渓流でのマスのつかみ獲り、シイタケ狩りが楽しめ、夏であれば、カブトムシやクワガタなどの昆虫採集もできます。
最後に、「今度の日曜日、天気がよければブドウ狩りにでも出かけようか」という人にワンポイント。
例えば秩父のような一つのエリアでも、収穫できる品種は農園によってさまざま。「タネなしのブドウが食べたかったのだが…」といったことがないように、インターネットで品種などを事前に調べておいた方がよいでしょう。また、気候によって年により、収穫時期がずれることもあるので、電話で確認することもお忘れなく。