快適生活の豆知識

大切な住まいをダニ・カビから守る


アドバイザー
近藤建設
カスタマーズサポートセンター
澤田一博

ダニ・カビは一年を通して油断大敵

ダニは、高温多湿を好むため、夏に発生して活発に活動し、寒い冬はそれほど注意しなくても大丈夫と言われています。しかし、最近はいちがいにそうは言えなくなってきているようです。
「ダニが繁殖する条件は、温度が25.30度、湿度が70.85%、これにエサとなるホコリやフケが多いことです。最近のお宅は気密性が高まって、冬でも快適に過ごすことができますが、それは人間だけではありません。ダニにとっても快適な環境なのです。暖房機器や加湿器の普及で、一年中、注意が必要なのです」(澤田)
カーペットやタタミ、カーテン、衣類など、不潔にしているとダニが発生しやすく、かゆみ、はれ、ニキビ、ぜんそくなどの病気を引き起こすそうです。
気をつけたいのが新しいタタミ。
「タタミ床には、ダニが付かない化学タタミ床が使用されていますが、油断できません。タタミ表に天然のイグサを使っていますから。新しい青ダタミは、湿気が残っているんです。むしろ、黄色に変わった古いタタミのほうが、乾燥が良くなっているので、ダニは発生しにくいんですよ」(澤田)
すがすがしい青ダタミのほうがダニが発生しやすいなんて意外ですね。
ダニを予防するには、やはり掃除をまめに行い、ホコリを残さないこと。目安としては、掃除機を1mあたり1分くらいかけて入念に吸い取るようにしましょう。ふだん、そこまで掃除機はかけていないのでは?なお、掃除機の使用は、ダニの捕獲と同時にタタミの乾燥にも役立つそうです。

結露によるカビ発生に注意

続いてはカビ対策です。
「ある意味、カビはダニよりもやっかいです。カビは適度な湿度、そして栄養のあるところならどこにでも繁殖し、温度20.70度、湿度70%以上になると急激に発生しやすくなります。カビは、建材や仕上げに使われる接着剤やノリを栄養分として発生しますが、接着剤やノリが使われるのは、壁と天井の境目、窓枠と壁の境目といったところですよね。これらの場所は結露が発生しやすいですから、カビにとっては格好の繁殖場所となってしまうんです。通気性を高めるようにして、結露を防ぐことが大切です」(澤田)
万一、カビが発生していることに気づいたら、すぐに取り除くこと。中性洗剤等をうすめて、カビ発生場所に吹き付けてこすればOKです。ただし、その後の対策として湿気を防がなくてはならないので、固く絞ったぞうきんで拭き、さらにドライヤーを使って乾燥させるなど、徹底的に行ったほうがよいでしょう。
しかし、繁殖が進んでしまったら、専門の業者に頼むしかありません。特に、ビニールクロスの場合は、裏側に発生してしまうと張り替えるしかありません。小学生の頃、カビが無数の胞子をまき散らしている拡大写真をみて気分が悪くなった経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、カビの繁殖力は非常に強力なのです。
「ダニやカビは、健康にもよくありませんから、ふだんから、結露などの湿気やホコリに注意を払うとともに、早め早めの対策を行うようにしていただきたいものです」(澤田)